私の経験から考えた最適な脱ステロイド法についての補足

ステロイドのリバウンドが起きてから、とにかく治療法の情報を集め、実際に色々な方法を試してきました。これまではステロイドのリバウンドという現象についての分析を多く書いてきましたが、経験者として、私と同じように苦しんでいる方々にとって役立つような情報を記していきたいと思います。多少長くなりそうですので、何度かに分けて書いていきます。

ステロイドのリバウンドで苦しいのは、なによりその強烈な炎症と、それに伴うかゆみかと思います。また、落屑の処理も生活の大きな負担になります。

落屑に関わる話として、リバウンドに対する対処法としてよく知られている方法の一つに、一切の保湿剤の使用を止める「脱保湿」がありますね。しかし、私はこの方法は実行できる人を選ぶと思います。仕事や学校に行かずに自宅で療養できる人や、入院した人であれば、落屑が増えても処理は比較的簡単でしょう。しかし、仕事を続けながら落屑を放置するというのは、かなり難しいことのように思います。ガサガサの皮膚を人目に晒しながら、職場を汚して生活するというのは、精神的なタフさを求められると思います。方法そのものは深谷医師も「脱保湿の正当性を支持する論文」で紹介しているように、有効なものでしょう。

無理なく実践できる環境にある人であれば、試みる価値はあるのではないかと思います。

また、完全に保湿を止めるのでなくても、自分のペースで徐々に保湿の回数を減らしていくのでも良いかもしれません。私は保湿をしないと落屑が増えてしまうので、最初の頃は一日の間に何度か保湿剤を塗っていました。症状が落ち着いてきたら、回数を減らし、現在はお風呂上がりだけ保湿しています。

ここからは、私が実際試してみて、これまで脱ステロイドを進めてきて確実に助けられたと感じた手段をいくつかご紹介したいと思います。

強力ミノファーゲンシー

私がリバウンドによって高熱を出した際に、クリニックで各種ビタミンと強力ミノファーゲンシーを混ぜた点滴を勧められ、打つことになりました。打つと数日間はかなり炎症も落ち着き、落屑も減りました。以降、定期的にこの点滴を打つようになりました。

この点滴はビタミンB群を多く含むものなので、おそらくその作用もあったかとは思います。しかし、強力ミノファーゲンシーの有効成分であるグリチルリチン酸は、人体が生理的に分泌しているステロイドの分解を抑制することで、結果的にステロイドの効果を増強します。ステロイドの抗炎症作用は非常に強力ということは言うまでもありません。ステロイドそのものを注入するわけではありませんが、やはり強力ミノファーゲンシー入りの点滴の効果は、グリチルリチン酸によるところが大きいと思われます。しかし、ステロイドそのものではないので、身体があまりステロイドの産生能力を取り戻していない状態にある人の場合は、効果は弱いかもしれません。強力ミノファーゲンシーの注射や点滴が可能な病院は多いので、興味があれば簡単に試すことはできるかと思います。

深谷医師による強力ミノファーゲンシーの解説はこちらです。

へ続く